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エンカルナシオン、そしてリオ

13日正午、豪雨の中をバスはエンカルナシオンへ向け出発。エンカルナシオンencarnacionとは、スペイン語で「転生」つまり生まれ変わりを指す言葉であろう。毎年この強烈な名を持つ町を僕は目指して旅をしているのだ。正確には、この町のブラジル領事館で高速で発給されるブラジルのビザを目指しての旅だが。高速で発給されるビザを求めての日本からの長い長い旅路。


encarnacion


写真は、6時間バスに揺られて到着したときのエンカルナシオン、バスターミナル風景。馬車が控えていて、のんびりした町なのがよくわかるであろう。雨もあがって、心地良い夕方であった。一昨年、初めてこの町をおとずれたときは42度の猛暑で、まるで押し潰されるような息苦しさであったが、今回は寒いくらい。助かった。僕は暑いのはほんとに苦手だ。
その晩は、これまたいつものように"Hiroshima"という和食レストランで焼き魚定食なんぞ食べて、すっかり満足、早くに休んだ。散策などはしない。この旅人にとって目下の問題は「ビザ」、その一点なのである。
翌朝、領事館の開く8時きっかりに、ブザーを鳴らして入館。「ビザを申請に来ました」「はい、どうぞ」。まことにのんびりした領事館で、たぶんこの日のビザ申請者は僕だけだろうな、と思わせるほど、皆がヒマそう。領事館員たち、ソファに座って談笑である。そのうちの一人が僕を指し、「あ、お前のこと知ってる。去年、おれがビザ出してやったんだよな。」「はい、その通り!」。一年前の僕のことを覚えている。ヒマな証拠である。しかし、こののどかさが僕にどれだけの安堵を与えていることか。3年前、僕を拒絶した東京のブラジル領事館の厳しさと冷たさ、そしてその数日後、不安でいっぱいの面持ちで初めてこの遥かなエンカルナシオンの領事館を訪れた自分...。そうした記憶が蘇り、交錯する。「なんだ、インターネットがつながらないや。待つしかないなあ。月曜はたいがいこんなだよ。君、いつブラジル入るの?明日?まあ、なんとかなるだろう。インターネットつながったら、すぐ出してあげるからさ」と先ほどの領事館員。優しいのは嬉しいが、早くつながってもらわなきゃ、困る。今日中に空港のあるアスンシオンに戻らねば。ここでは、申請者本人が、コンピュータで情報を打ち込み、ブラジル外務省かどこかにメールで送るシステムだ。
幸い、すぐにネットは復旧。2時間半後の午前11時にはめでたくビザがもらえた。「ほい、どうぞ。これでぎりぎり90日滞在したら、完璧だぞ!」とユーモアを忘れない領事館員。パスポートに貼られたビザをこの目で確認。何度繰り返しても、笑みがこぼれてしまう瞬間だ。これは、愛する人々の住む、愛する国へ行こうとして門前払いされた経験のある人にしかわからない感覚だろう。
さて、用はもう済んだ。来た時と同じ、正午のバスでエンカルナシオンを発ち、一路アスンシオンへ。明日はリオだ!


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かくして、翌夕方には無事リオ到着、本日16日朝は、レブロン地区の友人宅でのんびり。朝のカフェもいただいた。あいにくの雨だが、疲れた体には、雨の音と涼しさが心地良い。雨がやんだら、久々この街を歩いてみよう。リオでの生活に必須の"Hawaianas"(ビーチサンダル)も買わなきゃ。
そう、5日間に渡る長旅も、いつだってこの街に着いてしまえば、微笑みながら"Valeu a pena!"(苦労の甲斐があった)の一言ですんでしまうのだった。



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